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現状人類にとっての最大の脅威は、通信と交流が断絶(在日米軍やアメリカ大陸出身の人間は90年代にアリューシャン、アラスカ経由の「ホームカミング作戦」によって帰国)したことで国間の共通利害が激減したことで、「人類の共通の敵」というお題目はあれどその実、勢力圏をめぐる緊張がはじまっています。しかも、艦娘たちは元敵国の相方とは仲が悪いのです。

 艦娘は、第二次大戦期に多数の海軍艦艇を保有した国々で、さらにはその多くが沈んだ国ほど、たくさん現れる、という傾向にあります。すなわち、日本、米国、ドイツ、イギリス、イタリア、フランス、ロシアの順に有効に機能する艦娘の部隊が編成できましたが、それ以外の国々は艦娘の恩恵に預かることはほとんどありませんでした。結果現在は、日本はベーリング海からオホーツク、日本、東シナ、南シナ、オセアニア、インド洋、太平洋西部まで進出する一方、アメリカは南北アメリカの近海、カリブ海をコントロール、そしてヨーロッパ勢は(艦娘間の、特に英独、英仏、英伊の仲がすこぶる悪いため)戦術レベル、鎮守府レベルでは各国バラバラに活動するものの戦略レベルの歩調をEC(後にEU)として合わせ、バルト海から北海、大西洋東部、地中海までに進出しています。ロシアはソ連崩壊後(史実と異なりアメリカの経済支援が得られなかったため)ナリを潜め、資源輸出とバーターでの欧州からの食料輸入に頼っていましたが、もともと沿岸部に頼らない国情故いち早く復興を遂げ、現在はCIS諸国への支配を深めています。

 日本は、石油資源を中国とブルネイ、パレンバンから、鉄鉱を中国(2013年時点で世界の4割強の生産量)から、アルミニウムをインド、中国、最近ではインドネシアから、それぞれ得ています。ヨーロッパは石油資源を中東とロシアから(北海油田は海底油田)、鉄鉱をロシア、ウクライナ(ソ連崩壊後成立)から得ていますが、アルミニウムの調達には苦慮し、アフリカのアイボリーコースト周辺、特にガイアナ(世界12位)から得る他、日本と取り合いに近い様相を呈していますがカザフスタンから調達しています。アメリカは・・・自国とカナダでまかなえる他、鉄鉱をブラジル等、石油をカナダのオイルサンドとブラジル等(ベネズエラは海底油田)、ボーキサイトをブラジル(世界2位)やジャマイカ(6位)、ベネズエラ(10位)から調達しています。いずれの勢力圏でも、艦娘の拠点たる「泊地」や「基地」を設置して沿岸と輸送路を守ることと引き換えに、「欲しいだけ」持っていきます。今や、艦娘だけが武力と呼べる時代なのです。

 なお、オーストラリアは世界最大のアルミニウム産地でかつ鉄鉱産出量第2位であり、日本はオーストラリアの獲得を狙うものの、「アイアンボトム・サウンド」周辺海域の強力な深海棲艦(現在は通称5-5)に阻まれています。

 各国の政治家たちは確かに深海棲艦を脅威とみなしていますが、それ以上に都合の良すぎるスケープゴートとしてこれを扱っています。彼女らは確かに人類の天敵には違いありませんが、その脅威度は黒死病や天然痘、結核といった病原体ほどではない。にも関わらず、派手な爆発をまき散らしながら直接目に見える形で攻撃を仕掛けてくる深海棲艦は、「人類共通の敵」の役割を任せるに最適です。とにかく目立つが、対処は可能で、しかも日米露EUにとってみれば自分たちが相対的に絶対的な軍事的アドバンテージを握れる条件にある。他方の艦娘は可憐で美しくわかりやすい「人類の希望」で、彼女たちのためにという完璧な名目のこと納税を強いることができます。既に世界各国の指導層と知識人たちはこの戦いが、深海棲艦亡き後、もしくはその脅威を封じ込めた後の、勢力圏争いであると認識しており、ホワイトナイトの笑顔で握手を求めながら他国に忠誠を求めてきています。

 指導層は艦娘の外見と性格を平和を担保するための最高の装置であると一致した見解を持っており、艦娘同士の戦いは「可能な限り避ける」、また「演習プールを利用する」という紳士協定が結ばれています。艦娘を最強の兵器とすることで、深海棲艦を排除した後の三極化した世界秩序が世界大戦を招く事態を防ごうということであり、そのための火種の処理にも神経を使っています。

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